やぎじい占いでは、「占いそのものは非科学」であるという前提を隠さずに明示します。 そのうえで、人が占いを信じたり、心が動かされたりするプロセスには、心理学で説明できる多くの要素が含まれていると考えています。 このページでは、やぎじい占いがどのような心理的な視点を前提にコンテンツを設計しているのかを紹介します。
星の配置やホロスコープの解釈が、現代科学の意味で「因果関係として証明されたもの」ではないことは事実です。しかし、占いを読んだ人の心の中で起こる「解釈」「共感」「安心」「気づき」は、心理学や行動科学の観点から理解することができます。やぎじい占いは、このギャップを正直に受け止め、「非科学の物語」と「科学的な心理理解」を橋渡しする存在でありたいと考えています。
確証バイアスとは、自分がもともと信じていることや、大切にしている価値観に合う情報ばかりを集めてしまう心理の傾向を指します。占いの文章を読んだとき、人は自分にとって「しっくりくる部分」だけを強く覚えていることが多く、これも確証バイアスの一例と言えます。
やぎじい占いでは、この傾向を「悪いもの」として否定するのではなく、「自分が本当に大事にしている価値観に気づくヒント」として活かしたいと考えています。文章の中にいくつかの方向性や選択肢をちりばめることで、ユーザーが自然と「自分の中で響く部分」を選び取れるようにデザインしています。
バーナム効果とは、多くの人に当てはまるあいまいな説明でも、「これは自分のことだ」と感じやすい心理現象です。占いの世界ではしばしば、この効果が「人をだますためのトリック」として語られることがあります。
やぎじい占いでは、バーナム効果を「自分の内側のストーリーを見つけるためのきっかけ」として扱います。あいまいな言葉だからこそ、そこに自分なりの意味を見出したり、「そういえば自分はこういうところがある」と振り返る余地が生まれます。そのプロセスを丁寧に促すことで、単なる「当たった・外れた」ではない自己理解のきっかけになればと考えています。
やぎじい占いでは、確証バイアスやバーナム効果に加えて、選択的注意、アンカリング、自己肯定感、制御焦点理論、マルチインテリジェンス、ビッグファイブなど、多様な心理学や性格理論の視点を参考にしています。これらの理論は、「人を分類するため」ではなく、「人の多様な側面に光を当てるため」に用いられます。
診断系コンテンツやホロスコープの解説においても、ひとつの結果だけにユーザーを固定するのではなく、「こういう面もあれば、こういう面もある」というかたちで、複数の可能性を示すことを大切にしています。
心理学的な効果は、強い説得や依存を生み出すためにも利用できてしまいます。やぎじい占いでは、その側面を自覚し、「不安を必要以上に煽らない」「運命を断定しない」「誰かを悪者にしない」というルールを設けています。ユーザーの心の弱さにつけこむのではなく、それぞれの人が自分のペースで一歩ずつ前に進めるようなメッセージを目指します。
占いが、誰かの行動や選択を拘束する鎖ではなく、視野を広げるための小さな灯りのような存在になることを願っています。
やぎじい占いは、「占いを信じるべきかどうか」という議論よりも、「占いを読んだこの瞬間を、どう自分のために活かすか」という視点を大切にしています。気持ちが落ち込んでいるときに、少し元気が出る言葉に出会えたなら、それはその人にとって意味のある体験です。
科学的な正しさと、個人にとっての意味のある体験は、必ずしも同じではありません。だからこそ、非科学の物語と、科学的な心理理解のあいだに橋をかけることに価値があると私たちは考えています。