西洋占星術におけるホロスコープ相性(シナストリー)とは、二人の出生ホロスコープ(ネイタルチャート)を重ね合わせて関係性を読み解く方法です。テレビや雑誌の星占いでは通常「太陽星座」しか見ませんが、それでは人間関係のごく一面を示しているに過ぎません。本格的な相性占いでは、お互いのホロスコープ上の全ての惑星や星座、角度(アスペクト)を考慮し、総合的に二人の関係性を判断します。
本記事では初心者〜中級者向けに、恋愛にフォーカスしたホロスコープ相性のポイントを網羅的に解説します。特に太陽と月、火星と金星、金星と木星の組み合わせがもたらす意味に注目し、さらにエレメント(四元素)やモード(三区分)による星座同士の相性、主要なアスペクト(コンジャンクション、トライン、オポジション、スクエア)の解釈についても説明します。専門用語もできるだけ丁寧に補足しますので、安心して読み進めてください。
ホロスコープで「太陽」はその人の自我や主体性、人生における方向性を象徴し、「月」はその人の感情や本能的な欲求、安心感を求める傾向を表します。恋愛において太陽と月の組み合わせは、お互いの性格(太陽)と感情(月)がどれほど調和するかを示す重要なポイントです。
特に昔から、男性の太陽と女性の月の相性が良いと結婚生活が円満になると言われます。太陽(夫)と月(妻)が調和的なアスペクト(例えばトライン120度やセクスタイル60度)を取ると、男性側(太陽)は女性側(月)の気持ちをしっかり受け止め、女性側(月)は男性側(太陽)の人生への取り組みを支えて寄り添うため、理想的な「夫婦の絆」が生まれやすいからです。この配置はしばしば「夫婦アスペクト」とも呼ばれます。
さらに興味深い説として、二人の太陽星座と月星座がちょうど入れ替わっている組み合わせがあります。例えば一方の人が「太陽:牡羊座、月:天秤座」のとき、もう一方が「太陽:天秤座、月:牡羊座」であるようなケースです。このようにお互いの太陽と月が相手の星座に位置する関係は強い魂の結びつきを生むと言われています。実際、相手の太陽星座が自分の月星座と同じだと、価値観と情緒の両面で深く理解し合えるため、強い安心感と特別な縁を感じやすいでしょう。
一方、太陽と月の組み合わせが不調和な場合(例えばスクエア90度やオポジション180度の関係)、自我と感情のズレが生じやすくなります。片方が大切にする自己表現や目標を、もう片方が感情的に受け入れにくかったり、逆に一方の感情的要求に他方が応えきれなかったりするかもしれません。とはいえ、不調和なアスペクトでも「惹かれ合うけれど理解が難しい」という刺激的な関係になることもあります。要は太陽と月の相性は、二人の基本的な性格と心のニーズのバランスを示すものと捉えると良いでしょう。
恋愛において火星と金星の組み合わせは、二人の情熱(欲求)と愛情表現の相性を物語ります。火星は行動や欲望を司る惑星であり、「恋愛での愛し方」や積極性を示します。一方、金星は愛と美の星で、「恋愛の傾向」や求める愛され方、価値観を表します。したがって、お互いの火星星座と金星星座を見ることで「愛する姿勢」と「愛されたい欲求」のマッチ具合が分かるのです。
実際、恋愛相性を占う上で火星と金星の相性は欠かせない要素だと言われます。火星が示す能動的な愛情表現と、金星が示す受動的な愛情欲求の組み合わせが良いと、二人の関係では愛情の与え方と受け取り方のバランスが取りやすく、愛がスムーズに育まれます。たとえば、一方の火星星座が示す情熱的なアプローチが、他方の金星星座が求める愛情表現と合致していれば、相手を喜ばせたり満足させたりしやすく、お互いに「愛し愛されている」という実感を持てるでしょう。
火星と金星のアスペクト(角度関係)も重要です。調和的なアスペクト(トライン120度やセクスタイル60度)を取る場合、二人の間に自然な引力が働き、穏やかでロマンティックな愛情が生まれやすいとされています。一方、ハードなアスペクト(スクエア90度やオポジション180度)の場合、強い情熱と刺激的な惹かれ合いを生む反面、衝動的な感情や葛藤も起こりやすい傾向があります。例えば火星と金星が90度の関係にあると、「ケンカするほど仲が良い」というようにぶつかり合いながらも燃え上がる関係になるかもしれません。コンジャンクション(0度)の場合は、その組み合わせ次第で解釈が変わりますが、火星と金星の合は非常に強い性的魅力と情熱を生む典型的な配置です(刺激的すぎる場合もあります)。いずれにせよ火星×金星は男女問わず恋愛の化学反応を引き起こす組み合わせであり、二人の恋の熱量を左右する重要ポイントなのです。
金星と木星の組み合わせは、恋愛における幸福感や恩恵を象徴します。金星が愛情や楽しみ、美的感覚を司るのに対し、木星は拡大と発展、そして寛大さや幸運をもたらす惑星です。この二つが関係する相性は、多くの場合「一緒にいると運気が上がる」「恋愛においておおらかで寛容な関係」を示します。
具体的には、木星側の人(木星が相手の金星に影響を与える人)は、とても寛大な心で金星側を支えてくれるようになります。木星側は金星側の魅力を引き出し、喜ばせようと惜しみなく愛情や物質的サポートを与える傾向があり、金星側にとって木星側は幸運をもたらす存在となるのです。その結果、金星側(愛情を受け取る側)の人は安心して愛情を表現でき、豊かな気持ちでいられるでしょう。
木星は相手の金星に対し「何かしてあげたい!」というポジティブな働きをしやすく、金星と木星がアスペクトを取っている二人は周囲から見ても微笑ましいほど仲の良いカップルになるとも言われています。
金星と木星が調和的なアスペクト(トラインやセクスタイル)で結ばれていれば、そのエネルギーは非常にスムーズに交流し、「本人たちが意識しなくてもとても良好な関係」となりやすいです。恋愛において理想的ともいえる配置で、互いに相手といると楽しく、物質的にも精神的にも豊かさを感じられるでしょう。実際、西洋占星術では金星と木星の組み合わせは最高の愛情運と称されることもあります。
ただし注意点もあります。木星のエネルギーは拡大傾向が強いため、良い面が増幅される一方で、行き過ぎると二人で贅沢に溺れたり怠惰になったりする可能性もあります。木星側が甘やかしすぎると金星側がついルーズになってしまう、といった傾向です。とはいえ概して金星×木星の相性はポジティブに作用することが多く、二人の愛情に幸運の追い風を与えてくれる嬉しい配置と言えるでしょう。
西洋占星術では12星座を火・地・風・水の4つのエレメント(四元素)に分類します。各エレメントには以下の星座が属し、それぞれ似た気質を持っています:
エレメントの観点から言えば、同じエレメント同士の星座は基本的に相性がとても良いとされています。考え方や価値観の基本的な部分が共通しているため、一緒にいて共感し合えることが多く、自然と理解し合える関係になりやすいからです。
また、異なるエレメント同士でも組み合わせによって相性傾向があります。伝統的に良いとされるのは火と風、地と水のペアです。火と風はどちらも能動的・外向的な「陽」のエレメントで、風が火を煽るように互いに刺激を与え高め合う関係です。一方、地と水は受容的・内向的な「陰」のエレメントで、互いに支え合い、安定した関係を築きやすい傾向があります。
逆に相性が難しいと言われるのは、火と水、地と風の組み合わせです。火と水はエネルギーの質が正反対で、情熱と繊細さがぶつかりやすく、地と風は安定と自由という相反する価値観のすり合わせが必要です。
星座はエレメントだけでなく、モード(三区分)によっても分類されます。
三区分とは活動宮・不動宮・柔軟宮の3タイプです:
同じモード同士は似た傾向を持ちますが、似すぎていて衝突しやすい面もあります。活動宮同士は主導権争いになりやすく、不動宮同士はどちらも譲らない傾向があり、柔軟宮同士は優柔不断になりがちです。
一方、異なるモードの組み合わせでは補い合う関係が期待できます。活動宮と柔軟宮、不動宮と柔軟宮などは、主導力と適応力のバランスが取れ、スムーズな関係を築きやすいでしょう。
アスペクトとは、ホロスコープ上の天体同士が作る角度関係のことです。主なアスペクトには以下のものがあります:
ソフトアスペクト(トライン・セクスタイル)は自然で穏やかな関係を、ハードアスペクト(スクエア・オポジション)は刺激と成長をもたらすと言われます。良い関係においては、調和だけでなく、適度な緊張が関係を深めることもあります。
ホロスコープ相性は「相性が良いか悪いか」だけを判断するものではありません。調和的な配置が多い関係は安定しやすく、ハードな配置が多い関係は刺激的で学びが多いとも言えます。
大切なのは、星の配置を通して二人の関係にどんな特徴があるのかを理解し、それをもとにコミュニケーションや接し方を工夫することです。相性を知ることで、お互いの違いを受け入れ、より良い関係性を築くヒントが得られるでしょう。
恋愛の悩みや不安を感じたときこそ、ホロスコープの相性診断を活用して、星が示す関係性のヒントを読み解いてみてください。
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西洋占星術の勉強歴は10年以上となります。工学修士であるため占いは非科学だと考える一方で、占いを信じる心理は科学できるというスタンスです。占いで損をしてほしくないという思いのもと、心理学や脳科学の観点から占いを活用する方法をお伝えしています。
プロフィール詳細最終更新日:2025.03.10
占いは盲目的に信用してよいというわけではありませんし、非科学的だから批判すればよいというものでもないと考えています。
やぎじいは、科学的な視点をもちながら、占いが人の心に与えるポジティブな影響を楽しむべきだと考えています。
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