ホロスコープとは、西洋占星術で用いられる「出生時の天体配置図」のことです。
占星術では、人が生まれた瞬間の太陽・月・惑星の位置関係がその人の運命や性格に影響を与えると考えられています。
そのため、出生日時と場所をもとに主要な天体の配置を導き出し、円形の図(ホロスコープ)に描き出すことで、人生の傾向や運勢を読み解こうとするのです。
ホロスコープという言葉自体はギリシャ語の「hōra(時間)」+「skopos(見る人)」に由来し、「時間を見る者」、転じて「星を見る者」を意味します。
古代メソポタミア(バビロニア)で天体観測と占いの基礎が築かれ、当初は国家や王の吉兆を占うものでした。
現在のように個人の出生図で運命を読む占星術(ホロスコープ占星術)は、ヘレニズム時代のエジプト(紀元2世紀頃)に本格的に成立したとされています。
現代では「ホロスコープ」という言葉を雑誌の星占い(12星座占い)の意味で使うこともあります。
例えば「牡羊座のあなたは今日は運勢が良好です」といった占いです。
しかし本来、星占いで使われる太陽星座(生まれた日の太陽が位置する星座)だけでなく、月や他の惑星も含めた10天体すべてとその関係を総合的に読むのがホロスコープ占星術です。
黄道(太陽の通り道)を春分点から30度ずつに分けたものが、黄道十二宮(12星座)と呼ばれます。 牡羊座から魚座までの12のサインにはそれぞれ神話に由来するシンボルと名称が付けられ、太陽は一年かけてこれら12星座を一巡します。 西洋占星術では春分点を起点として牡羊座(白羊宮)を第1のサインとし、以下牡牛座、双子座…魚座まで順番に配置されます。
この12星座は性格傾向を示す基本的な要素であり、それぞれ「エレメント(四元素)」と「モード(三区分)」という2つのグループ属性を持っています。 エレメントは火・地・風・水の4種類、モードは活動宮・不動宮・柔軟宮の3種類に分類され、各星座の性質を理解する鍵になります。
古代の自然観に由来する四元素(火・地・風・水)は、それぞれの星座の基本的な資質を表します。
モード(クオリティとも呼ばれます)は各星座の行動パターンを表し、活動宮・不動宮・柔軟宮の3種類があります。
エレメント | 活動宮 (Cardinal) | 不動宮 (Fixed) | 柔軟宮 (Mutable) |
---|---|---|---|
火 | 牡羊座 (Aries) | 獅子座 (Leo) | 射手座 (Sagittarius) |
地 | 山羊座 (Capricorn) | 牡牛座 (Taurus) | 乙女座 (Virgo) |
風 | 天秤座 (Libra) | 水瓶座 (Aquarius) | 双子座 (Gemini) |
水 | 蟹座 (Cancer) | 蠍座 (Scorpio) | 魚座 (Pisces) |
それぞれの星座は以上のようなエレメントとモードの組み合わせによって特徴づけられます。 例えば牡羊座は「火のエレメント」かつ「活動宮」に属する第1の星座であり、情熱と行動力に溢れたリーダー気質です。 新しい物事を率先して切り開くエネルギーが強い一方で、せっかちで衝動的な面もあるでしょう。 同じ火の星座でも獅子座(火・不動宮)は創造的で堂々としていますが頑固さも持ち合わせ、射手座(火・柔軟宮)は自由奔放で楽観的な反面飽きっぽい、といった具合に、エレメントとモードの組み合わせが各星座に独自のカラーを与えているのです。
ホロスコープでは、太陽・月を含む10個の天体(惑星)を扱います。 古典占星術では肉眼で見える7つの天体(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星)を用いてきましたが、その後天王星・海王星・冥王星が発見され占星術に取り入れられ、現代ではこれら10天体すべてをホロスコープ解釈に用います。 各天体はそれぞれ異なる心理的・現実的なテーマを象徴しており、ホロスコープを読む際には「どの天体がどの星座に位置しているか」を解釈の基本とします。
以下に10天体それぞれの名称と象徴する意味を簡単にまとめます。
太陽 | 自分自身の核となるエネルギーを表します。 人生の目的意識や基本的性格、自我を示し、ホロスコープ上で最も重要な天体です。自分らしさや生きる方向性を司るため、太陽星座は「その人が目指す姿」を象徴します。 |
---|---|
月 | 心の奥底にある感情や無意識のパターンを司ります。 気質や習慣、反射的な癖などを示し、安心感やプライベートな面での自分(本音の自分)を表す天体です。月は母性的な存在や幼少期の記憶とも関連づけられます。 |
水星 | 知性やコミュニケーション能力、思考の働きを表します。 物事の伝達手段や学習能力、言語表現、移動・商取引などを司る天体で、頭の回転や情報処理能力、話し方の特徴に関係します。 |
金星 | 愛情や美意識、調和を象徴します。個人の好みや趣味、芸術的センス、金銭感覚、他者との調和の取り方などを示す天体です。 金星が表すものは「喜びや楽しみ」を得るポイントであり、恋愛の傾向や価値観にも影響します。 |
火星 | 行動力や闘争本能、情熱の発揮の仕方を表します。 怒りや欲求のエネルギー源でもあり、チャレンジ精神や競争心、性的なエネルギーにも関係する天体です。火星の位置を見るとその人が積極的になれる分野や、衝突しがちなテーマがわかります。 |
木星 | 拡大と発展の星で、幸運や恩恵をもたらすとされます。 成長や向上を促すポジティブなエネルギーを持ち、寛大さや楽観性、信念などを司ります。木星が位置する場所はその人が容易に能力を伸ばせる領域であり、チャンスに恵まれやすい分野です。 |
土星 | 現実的な試練や責任を担う星です。制限や困難を与える反面、努力や忍耐によって成長を促す教師のような存在でもあります。 土星が示す領域では課題に直面しやすいですが、克服することで大きな安定や成熟が得られるでしょう。 |
天王星 | 革新と変革のエネルギーを象徴します。独創性や革命精神、個性の解放といったテーマを持つ天体で、電気やインターネットなど現代的・革新的な事柄とも結びつけられます。天王星の影響が強いと常識にとらわれない斬新な発想や生き方を貫く傾向が生まれます。 |
海王星 | 夢や幻想、直感の星です。現実を超えたスピリチュアルな世界や芸術的感性、無境界な優しさや慈愛を象徴します。 一方で現実逃避や混乱、曖昧さももたらすため、海王星が強いと掴みどころのない魅力や神秘性を帯びる反面、地に足がつかなくなることもあります。 |
冥王星 | 「死と再生」を司るトランスフォーマー(変容)の星です。破壊と再生、極限的なパワー、深層心理や権力といったキーワードを持ちます。 冥王星の影響下では物事の根底からの変化が促されるため、その人の人生に劇的な転機や潜在的な力の発現をもたらすことがあります。 |
ホロスコープ上では、天体同士の形成する角度のことをアスペクト(日本語で「座相(ざそう)」とも言います)と呼びます。
アスペクトは天体同士のエネルギーの関わり合い方を示す重要な要素で、0度・60度・90度・120度・150度・180度といった主要な角度が特に重視されます。 これらはメジャーアスペクト(主要座相)と呼ばれ、古くから占星術で用いられてきた代表的な角度です (150度のインコンジャンクト〔クインカンクス〕は古典ではマイナー扱いでしたが、現代占星術では影響力の大きさからメジャーに含めることも増えています)。
代表的なメジャーアスペクト5種類の定義と意味を簡単に見てみましょう。
アスペクト名 | 角度 | 特徴 |
---|---|---|
コンジャンクション(合) | 0° | 天体が重なりエネルギーが融合・強調される。影響力が強く、良くも悪くもパワーが増幅。 |
セクスタイル | 60° | 調和的で協調しやすい。チャンスの暗示があり、努力で恩恵を活かせる。 |
スクエア | 90° | 天体が直角関係で摩擦を生む。葛藤や衝突があるが、成長のきっかけにもなる。 |
トライン | 120° | 天体が調和し、自然な助け合いが生まれる。幸運の座相だが刺激には欠ける。 |
オポジション(衝) | 180° | 天体が向かい合い、緊張や葛藤が生じる。バランスが取れれば補完し合える。 |
占星術は、星や惑星の動きが人の性格や運命に影響を与えると考え、それを読み解く方法です。西洋占星術では、12星座や惑星の位置を使って性格や未来を占います。
ホロスコープは、特定の日時の星の配置を示した図で、占星術の基礎になります。特に、誕生日のホロスコープ(出生図)は、その人の個性や運勢を知るために使われます。
つまり、占星術は星の影響を解釈する方法で、ホロスコープはそのための設計図のようなものです。
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西洋占星術の勉強歴は10年以上となります。工学修士であるため占いは非科学だと考える一方で、占いを信じる心理は科学できるというスタンスです。占いで損をしてほしくないという思いのもと、心理学や脳科学の観点から占いを活用する方法をお伝えしています。
プロフィール詳細最終更新日:2025.03.10
占いは盲目的に信用してよいというわけではありませんし、非科学的だから批判すればよいというものでもないと考えています。
やぎじいは、科学的な視点をもちながら、占いが人の心に与えるポジティブな影響を楽しむべきだと考えています。
以下の記事では、占いを楽しむ際に知っておきたい心理学の知識を紹介しています。 バーナム効果(誰にでも当てはまる内容を自分だけのものと感じる)、確証バイアス(自分に都合の良い情報だけを集める)、自己成就予言(信じたことが現実になる)などの心理を理解することで、占いをより客観的に活用できます。 占い結果に振り回されず、前向きに活かすコツをお伝えします!